エコキュートからガス給湯器に入れ替えると?メリット・デメリットを紹介
2024年5月28日

「エコキュートからガス給湯器に替えたい」という声を耳にします。使っているうちにエコキュートのデメリットが目に付くようになり、次に給湯器を交換するタイミングではガス給湯器に入れ替えたいとお考えの方もいることでしょう。
ここではエコキュートからガス給湯器に替えるメリットを考えます。とはいえ、デメリットもあるのがエコキュートからガス給湯器への交換です。
エコキュートならではの利点も踏まえつつ、中・長期的にどちらが優れているかも解説していきます。
エコキュートとガス給湯器を比較
次の表はエコキュートとガス給湯器を比較して、優れている方に〇を付けたものです。ガス給湯器に〇が付くのは「初期費用(本体価格・設置費用)」「水圧」「お湯切れの心配がない」「騒音の心配がない」という4つの項目です。
エコキュート | ガス給湯器 | |
---|---|---|
初期費用(本体価格・設置費用) | 〇 | |
水圧 | 〇 | |
お湯切れの心配がない | 〇 | |
騒音の心配がない | 〇 | |
ランニングコスト(光熱費) | 〇 | |
安全性 | 〇 | |
補助金・助成金 | 〇 |
エコキュートからガス給湯器に替えるメリット
ガス給湯器のほうがエコキュートより優れている4つの点は、そのままエコキュートからガス給湯器に替えるメリットになります。
初期費用が安くなる
エコキュートの本体価格は40〜70万円に対してガス給湯器は15〜40万円です。買い替え時期にエコキュートの本体価格の高さに改めて驚き、ガス給湯器の安さに魅力を感じる方もいるようです。
エコキュートとガス給湯器の寿命は共に10年が目安となりますが、入れ替えのたびに25〜30万円多くお金がかかるのは大きな負担です。エコキュートからガス給湯器に替えたり、ガス給湯器を使い続けたりするメリットといえます。
水圧が高くなる
水圧の低さは、エコキュートの欠点です。近年はより高圧なタイプにより改善されていますが、水道の水圧そのままのガス給湯器に比べると水圧が低くなってしまいます。
シャワーの爽快感や短時間でお湯張りができることは、エコキュートからガス給湯器に替えるメリットです。
お湯切れが起こらなくなる
タンクに貯めたお湯がなくなる「お湯切れ」が起こるのもエコキュートの欠点です。お湯切れが起こると30分〜4時間程の湯沸し時間がかかりますが、水道水を瞬間的に加熱するガス給湯器なら、このようなことは起こりません。
ガス給湯器からエコキュートに入れ替えて、お湯切れに驚いた方も少なくないでしょう。お湯切れが起こらなくなるのは、エコキュートからガス給湯器に替えるメリットです。
騒音の心配がなくなる
エコキュートの騒音について近所から苦情を言われ、ガス給湯器に買い換えるという方もいることでしょう。エコキュートには室外機(ヒートポンプ)があり、主に深夜に稼働する仕組みですが、この際に発生する低周波がしばしば問題となるのです。
ガス給湯器も湯沸し時に音を発しますが、使用する時に発生するため夜間の騒音問題とはなり辛いです。
エコキュートからガス給湯器に替えるデメリット
エコキュートにはいくつかの欠点があるとはいえ、ガス給湯器への入れ替えには検討の余地があります。エコキュートからガス給湯器に入れ替えることで、起こるデメリットがいくつかあるからです。
ランニングコストが高くなる
エコキュートからガス給湯器に入れ替えると本体価格が安くすむ一方で、ランニングコストが高くなってしまいます。
パナソニックの試算によるとガス給湯器のランニングコストは、都市ガスで年間・約7万3,200円、プロパンガスで約10万9,800円となっています。エコキュートと比較すると年間で都市ガスなら3万6,000円、プロパンガスなら実に7万2,600円も高くなる計算です。
ガス給湯器を10年間使うと仮定するとエコキュートのランニングコストより、都市ガスなら約36万円、プロパンガスなら約73万円も高くなってしまいます。エコキュートとガス給湯器の価格差は、10年間で十分埋まってしまうでしょう。
安全性がやや低くなる
エコキュートからガス給湯器に入れ替えると、安全性がやや低くなってしまいます。
エコキュートが電気を利用するのに対して、ガス給湯器はガスを燃やしてお湯を沸かすので、ガス漏れなどの不具合で火災が発生するリスクがあるからです。
またガス管・水道管のトラブルや、停電時にまったく使えなくなるのがガス給湯器ですが、エコキュートなら貯湯タンクにあるお湯を生活用水として利用できます。
災害に見舞われた時など、エコキュートにしてよかったと感じるかもしれません。
補助金・助成金はもらえない
エコキュートからガス給湯器への入れ替えでは、補助金・助成金を利用できないケースがほとんどです。
一方でガス給湯器からエコキュートへの入れ替えや、古いエコキュートから新しいエコキュートへの入れ替えには、国などが用意している補助金・助成金が利用できます。
経済産業省がおこなう「給湯省エネ2024事業」では、エコキュートへの入れ替えで助成されるのは8〜13万円です。都道府県・市町村の中にも、補助金・助成金を要しているところがあり、併用でよりお得にエコキュートに入れ替えられます。
エコキュートとガス給湯器の初期費用の差は、補助金・助成金である程度埋められるでしょう。
オール電化割引が使えなくなる
エコキュートからガス給湯器に入れ替えると、お得な電力プランのオール電化割引が使えなくなります。
エコキュートを導入している家庭の多くは、電力会社が提供するオール電化割引を利用しているはずです。割引率は会社によって異なりますが、数%の割引が受けられるというものです。
交換費用が高額になるかもしれない
エコキュートからガス給湯器への交換は25〜50万円くらいかかります。内訳はガス給湯器本体の購入に15〜40万円、設置工事や古いエコキュートの処分に10万円前後です。
一方でエコキュートの入れ替えにかかるのは40〜85万円程です。内訳はエコキュート本体が30〜70万円、設置工事や古いエコキュートの処分に15万円前後なので、ここまでならエコキュートからガス給湯器への交換費用は安いと感じることでしょう。
ただし注意したいのは、新築のオール電化住宅にガス給湯器を設置する場合です。ガス管の引き込み工事が必要になり、25〜50万円の交換費用だけでなく15~20万円程余計にかかってしまいます。
本体価格の安さにひかれてエコキュートからガス給湯器に交換するのも良いですが、場合によっては、エコキュートの交換と変わらない費用がかかることに注意してください。
エコキュートのデメリットは対策可能
エコキュートからガス給湯器に入れ替えようと考えている方は、エコキュートにいくつかのデメリットを感じているからだと思いますが、そのうちのいくつかは対策できます。
ここからはエコキュートの代表的な4つのデメリットの対策について解説していきます。
- 水圧の低さ
- お湯切れの発生
- 高額な修理費
- 本体価格の高さ
水圧の低さ
エコキュートの水圧の低さは、高圧仕様のものへの入れ替えで対策します。水圧の低さを改善するために、各メーカー工夫を凝らしているのです。
たとえば三菱の高圧仕様エコキュートは「ハイパワー給湯」という技術で、290kPaを実現しており、ガス給湯器の200〜400kPaとくらべて、それほど見劣りしないものとなっています。
使っているエコキュートの水圧の低さが不満なら、各メーカーの高圧仕様への買い替えで解決するでしょう。
お湯切れの発生
お湯切れについては、エコキュートの機能の活用や貯湯タンクが大きなものへの買い替えで対策します。
エコキュートの機能とは「沸き増し」や温度設定の変更です。普段より多くのお湯が必要ならば事前に沸き増し機能を使って、タンクにより多くのお湯を貯めましょう。また温度設定を低くすることで、貯めたお湯の使用量を減らせます。
エコキュートの機能を活用してもお湯切れが起こるなら、現在使っているタイプの貯湯タンクの容量が足りないのかもしれません。一般に370リットルタンクなら3〜5人用、460リットルタンクなら4~7人用とされているので、新しいエコキュートへの入れ替えの参考にしてください。
高額な修理費
エコキュートの修理費用は1〜15万円で、ガス給湯器の1〜6万円と比較すると高額です。特に修理代が高くなるのはヒートポンプが故障したケースで、8〜15万円もかかってしまいます。しかし、高額な修理費は延長保証への加入で対策が可能です。
たとえば弊社がご用意している「NICE保証」は10年間で、メーカー保証の1〜5年間を補うものです。一般にエコキュートの寿命は10年間とされているので、延長保証に加入すれば寿命まで高額な修理費に悩まされることはありません。
エコキュートの入れ替え時には、延長保証があるかも忘れずにチェックするとよいでしょう。
本体価格の高さ
エコキュートの本体価格の高さは、購入先を選ぶことで対策します。おすすめは目玉商品を打ち出している専門店を選ぶことです。
たとえば「エコパパのお店」では2024年5月現在、工事費などコミコミで三菱電機「SRT-N376」を38万9,800円で販売しています。この価格は上位機種のガス給湯器と変わらないものです。
SRT-N376は370リットルの貯湯タンクを備えたタイプで、3〜7人家族での使用に向いています。グレードは中程度なので、機能はシンプルなものがいいという方にぴったりです。
エコキュートとガス給湯器の価格の違いは、ランニングコストの差や補助金・助成金で埋められますが、本体価格を抑えることでさらに簡単に差を埋められるでしょう。
まとめ
エコキュートからガス給湯器への入れ替えを検討している方の多くは、エコキュートのデメリットが気になるからでしょう。しかし最大のデメリットである本体価格の高さは、ガス給湯器とのランニングコストの差に注目すれば気にならなくなるはずです。
また販売店選びや国などの補助金・助成金の活用で、エコキュートとガス給湯器の本体の価格差は小さくなります。その他のエコキュートのデメリットも、最新型への入れ替えや機能の活用で対策できます。
最初の費用こそ気になるかもしれませんが、中長期的にみるとお得になるのがエコキュートなのです。
エコキュートの交換を検討している方は、是非エコパパのお店までご相談下さい。