オール電化で後悔しないために知っておきたいポイントをわかりやすく紹介
2023年1月19日
ガス給湯器やガスコンロからオール電化に切り替えることは、メリットがあります。一方で、エコキュートやIHクッキングヒーターを導入したことで、かえって後悔してしまうケースも少なくありません。
本記事では、オール電化で後悔しないためのポイントを分かりやすく紹介します。対処方法も併せて解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
オール電化とは?
オール電化とは、厨房・給湯・冷暖房などで使用されるエネルギーを全て電気で賄える住宅のことを指します。
台所の場合は、ガスコンロからIHクッキングヒーターへ、お風呂や給湯器の場合はガス給湯器からエコキュートへ、冷暖房は石油ストーブからエアコンなどに交換します。
概要 | |
---|---|
IHクッキングヒーター |
電気を使って加熱する電磁調理器 ガスを使わず、調理器具自体を発熱させる |
ガスコンロ |
電気と空気の熱を使ってお湯を沸かす給湯器 ガス給湯器と違って、貯湯式給湯器システム |
家庭のエネルギーを電気に集約することのメリットは幾つもありますが、同時にデメリットも発生します。
オール電化で後悔しやすいポイント
オール電化に切り替えたことで後悔しやすいポイントは以下の通りです。
- 昼間の電気代が高くなる
- オール電化の初期費用は高額
- 停電したときのリスクが高い
- メンテナンスやトラブルの可能性がある
上記を順番に解説します。
昼間の電気代が高くなる
オール電化にした場合、最も注意しないといけないのが電気代です。
電力会社にもよりますが、オール電化向けの料金プランは季節別時間帯電灯が多いです。季節別時間帯電灯は夜間の電気代が安くなる代わりに、昼間の電気代が高額になる料金プランになります。
例えば、中部電力ミライズのオール電化向け料金プラン「スマートライフプラン」の電気料金は以下の通りです。
区分 | 単位 | 料金単価(税込) | |
---|---|---|---|
基本料金 | 契約容量10kVAまで | 1ヵ月1契約に付き | 1487.04円 |
契約容量10kVAを超える場合 | 1ヵ月1kVAにつき | 286.00円 | |
電力料金 | デイタイム | 1kWhにつき | 38.71円 |
@ホームタイム | 28.52円 | ||
ナイトタイム | 16.30円 |
一方で、中部電力ミライズの従量電灯Bの電力料金は以下の通りです。
区分 | 単位 | 料金単価(税込) | |
---|---|---|---|
電力料金 | ~120kWhまで | 1kWhにつき | 21.04円 |
120kWh~300kWhまで | 25.51円 | ||
300kWh~ | 28.46円 |
従量電灯は使用電力量が多いほど電気料金の単価が上がります。しかし、季節別時間帯電灯の昼間の電力料金単価は、従量電灯よりも高額な傾向があります。
そのため、オール電化に変えたときに使用電力量を見直さないと、昼間の電気代が高額になる可能性は高いです。
オール電化の初期費用は高額
オール電化にしたことで後悔しやすいポイントとして、初期費用が高額なことも挙げられます。
例えば、IHクッキングヒーターはメーカーや機種、台所の状況などにもよりますが、工事費用込みの初期費用が150,000円~250,000円です。エコキュートもメーカーや機種、浴室、設置スペースなどによりますが、初期費用は400,000円~600,000円となっています。
一方で、ガスコンロの初期費用は30,000円~150,000円、ガス給湯器の初期費用は50,000円~200,000円程度です。
既築住宅をオール電化に切り替えるためには、エコキュートやIHクッキングヒーターを購入するだけでなく、設置のための工事も行うので初期費用が高額になりやすいです。
一度にエコキュートやIHクッキングヒーターを導入したいと考えている方は、初期費用が1,000,000円近くかかる可能性があると覚えておきましょう。
停電したときのリスクが高い
厨房や給湯などのエネルギーを電気に集約した場合、停電したときにIHクッキングヒーターやエコキュートが使用できなくなる可能性があります。
電気はガスや水道に比べて復旧の速いライフラインと言われています。一方で、2019年に千葉県を襲った台風15号のときのように、長期にわたって停電が解消されないというケースも最近では珍しくありません。
メンテナンスやトラブルの可能性がある
オール電化住宅で導入した機器はセンサーや電子回路で制御されていて、定期点検や定期的なメンテナンスが必要になります。
例えば、エコキュートの寿命は10年~15年と言われていますが、定期的に水抜きをしたり、フィルターの汚れを取ったりした場合の寿命です。そのため、エコキュートやIHクッキングヒーターは定期的にメンテナンスを行いましょう。
また、エコキュートやIHクッキングヒーターはガス給湯器やガスコンロと仕組みや使い方が違うため、次のようなトラブルが起きる可能性は否定できません。
起きる可能性があるトラブル | |
---|---|
エコキュート |
湯切れによりお湯が使用できなくなる エコキュートの稼働音による騒音トラブル |
IHクッキングヒーター |
新しい調理器具を用意する可能性がある 直火調理ができなくなる |
エコキュートやIHクッキングヒーターを導入したら、取扱説明書や公式サイトを確認して、使い方に慣れていきましょう。
オール電化住宅で後悔しないための対処方法
オール電化住宅で後悔しやすいポイントは以下の通りです。
- 昼間の電気代が高くなる
- オール電化の初期費用は高額
- 停電したときのリスクが高い
- メンテナンスやトラブルの可能性がある
上記のポイントの対処方法を順番に解説します。
昼間の電気代を抑えるために太陽光発電システムを導入する
オール電化住宅で昼間の電気代を抑えるなら、太陽光発電システムの導入を検討してみましょう。
太陽光発電システムを導入すれば、日中の電力を自分で賄うことができるので、割高な電気料金単価を支払う必要がありません。
また、最近は太陽光発電システムとの連携を前提とした「おひさまエコキュート」がダイキンや三菱より販売されています。
従来のエコキュートは電気料金単価が安い夜間にお湯を沸かしますが、「おひさまエコキュート」は日中に太陽光発電システムが発電した電力でお湯を沸かします。
夜間に比べて日中は外気温が高いので、お湯を沸かすためのエネルギーがより少なくなります。また、お湯を使うまでの時間が短くなるので、放熱ロスも少ないというメリットがあります。
オール電化に太陽光発電システムは必須ではありませんが、仕事やライフスタイルの関係で日中の使用電力量が減らせない家庭の場合は、太陽光発電システムの導入をおすすめします。
初期費用を抑えるために補助金制度を利用する
エコキュートやIHクッキングヒーターの初期費用を抑えたいなら、補助金制度を利用してみましょう。
日本は省エネ性能の高い住宅機器の購入時に補助金を出すケースが多いです。例えば、経済産業省資源エネルギー庁は、「高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金」を予定しています。
エコキュート1台につき50,000円の補助が受けられる制度で、2023年3月下旬より申請の受け付けを開始します。
また、地方自治体によっては独自の補助金制度を行っているケースもあります。金額や条件は市区町村ごとに異なりますが、高額な補助金制度もあるので、気になる方は窓口に問い合わせてみましょう。
停電した時に備えて蓄電池を購入する
オール電化は停電に弱いので、万が一の事態に備えて蓄電池を購入すると良いです。
蓄電池とは、充電して電気を貯めておき、必要なときに住宅に給電可能な二次電池のことです。太陽光発電システムで発電した電力だけでなく、電力会社から電力を購入しておくこともできます。
そのため、蓄電池の種類によっては停電が起きても日常に近い生活を送ることが可能です。
メンテナンスのやり方を覚える
エコキュートやIHクッキングヒーターはガス給湯器やガスコンロに比べて、修理や交換にコストがかかるので、メンテナンスを行っておくことは重要です。
そのため、エコキュートやIHクッキングヒーターを購入したら、メンテナンスのやり方を覚えて、定期的に行いましょう。
エコキュートのメンテナンスの方法を次の記事でまとめてあるので、参考にしてください。
オール電化にするメリットはあるの?
結論から申し上げますと、オール電化にするメリットはあります。メリットと上記の後悔するポイントを比較した場合、メリットのほうが上回るため、オール電化が可能な方はエコキュートやIHクッキングヒーターの購入をおすすめします。
オール電化の主なメリットは以下の通りです。
- 光熱費の管理がしやすくなる
- 光熱費の節約につながる
- ガスを使わないので安全
- IHクッキングヒーターやエコキュートを利用できる
上記のメリットのなかで、特に大きいのが光熱費の節約です。
エコキュートは電気と空気の熱を利用してお湯を沸かす給湯器で、ほかの給湯器に比べてお湯を沸かすためのランニングコストが抑えられています。
次の表は、同じ湯量を沸かした場合のエコキュートとガス給湯器の年間ランニングコストを比較したものです。
エコキュート | ガス給湯器 | |
---|---|---|
北海道電力エリア | 約32,400円 | 約109,200円 |
東北電力エリア | 約21,600円 | 約104,400円 |
北陸電力エリア | 約20,400円 | 約118,800円 |
東京電力エナジーパートナーエリア | 約24,000円 | 約78,000円 |
中部電力エリア | 約24,000円 | 約87,600円 |
実際のランニングコストは家族の人数やお湯の使い方によって異なりますが、ガス給湯器からエコキュートに交換するとランニングコストを抑えられることが分かります。
オール電化に切り替えると、昼間の電気代が上昇したり、初期費用が高額になったりしますが、お湯を沸かすためのランニングコストを大幅に抑えられるので、トータルで見ると光熱費の節約が可能です。
また、太陽光発電システムや蓄電池があれば、昼間の使用電力量の節約もできるので、後悔しないように対処もできます。
以上の理由により、将来的なことを考えるなら、オール電化への切り替えをおすすめします。
オール電化のメリットやデメリットを詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
まとめ
以上が、オール電化で後悔しないためのポイントの解説です。オール電化に切り替えたことで、昼間の電気代が高額になったり、停電したときのリスクが高くなったりはします。しかし、対処方法を行っておけば、後悔せずに済みます。
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