給湯器の種類は?給湯器ごとの特徴やお湯を沸かすためのランニングコストを解説
2023年10月7日
給湯器は種類によってお湯を沸かすためのランニングコストや導入費用などが異なります。給湯器によっては年間数万円の節約も可能なので、家庭の支出を抑えたい方は給湯器の買い替えを検討してみましょう。
そこで今回は、給湯器の種類を解説します。給湯器ごとのランニングコストも紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
給湯器とは?
給湯器とは、お湯を沸かして各所に供給する機能を持った住宅設備機器のことです。台所やお風呂場、洗面所などでお湯が利用できるのは、給湯器を設置しているからです。
お湯を沸かすためのエネルギーは種類によって異なり、主にガス、灯油、電気などが用いられています。種類によってはガスと電気を併用するハイブリッド給湯器もあり、給湯器のコストを比較する場合はお湯を沸かすためのランニングコストを比較すると良いです。
給湯器の種類は?
給湯器の種類は以下のとおりです。
- エコキュート
- ガス給湯器
- 石油給湯器(灯油給湯器)
- 電気温水器
- ハイブリッド給湯器
- エネファーム
上記の特徴を順番に解説します。
エコキュート
エコキュートとは、電気と空気の熱を利用してお湯を沸かす給湯器の総称です。エアコンの室外機に似たヒートポンプユニットが空気の熱を取り込んで圧縮し、発生した高温の熱を利用してお湯を沸かします。
沸かしたお湯は貯湯タンクユニットにて貯めておき、必要に応じて各所に給湯されます。メーカーが異なっていても給湯の仕組みは同じなので、ほとんどのエコキュートは貯湯式給湯器に分類されます。
ほかの給湯器に比べて、お湯を沸かすためのランニングコストが圧倒的に安いことが最大のメリットです。一方で、メーカーや機種によって搭載されている機能に違いがあり、工事費込みの相場が40万円~70万円とやや高額な傾向があります。
ガス給湯器
ガス給湯器とは、ガスを燃焼させて発生した熱を利用してお湯を沸かす給湯器の総称です。お湯を出そうとすると給湯器内部で通水が始まり、バーナーによって配管が直接温められて各所に給湯されます。
給湯時にお湯を沸かすことから、大抵のガス給湯器は瞬間式給湯器に分類されます。エコキュートのような貯湯f式給湯器と違い、お湯を貯めておくタンクが不要なので、狭い敷地にも設置しやすく、工事費込みの相場が15万円~25万円程度になります。
なお、ガス給湯器のエネルギーはガスですが、プロパンガスと都市ガスの2種類があり、契約している会社やプラン、住んでいる住宅によって異なります。
プロパンガスと都市ガスの違いはランニングコストで、基本的に都市ガスのほうがコストパフォーマンスに優れています。
例えば、愛知県に住んでいる4人家族のお湯を沸かすランニングコストをプロパンガスと都市ガスでシミュレーションすると、次のとおりです。
- 都市ガス…年間約107,071円
- プロパンガス…年間約166,638円
実際のランニングコストは給湯器の性能や契約しているプラン、お湯の使い方によって異なりますが、プロパンガスのランニングコストは高いです。
石油給湯器(灯油給湯器)
石油給湯器とは、灯油を燃焼させて発生した熱でお湯を沸かす給湯器の総称で、小型ボイラーとも呼ばれています。外気温が低い場所でも大量のお湯を沸かせることから、寒冷地での需要が高いです。
機器によって直圧式と貯湯式に分かれており、直圧式は灯油を燃焼させて発生した熱で配管を直接温めてお湯を沸かし、貯湯式は内部にあるタンクを温めることお湯を沸かします。
給湯の仕組みが機器によって異なり、工事費込みの相場は直圧式が20万円~30万円、貯湯式が15万円~25万円程度です。
灯油の燃焼率はガスよりも良いので、お湯を沸かすためのランニングコストが抑えられている傾向はあります。しかし、灯油は原油価格変動の影響を受けやすいので、時期や経済情勢によっては高騰するリスクが高いです。
電気温水器
電気温水器とは、電気によって発生した熱でお湯を沸かす給湯器のことです。エコキュートが空気の熱を利用している給湯器に対して、電気温水器は電気だけでお湯を沸かそうとしている給湯器になります。
電気温水器は貯湯式給湯器で、貯湯タンクユニット内部に電気ヒーターが内蔵されています。電気ヒーターを温めることでタンク内部の水がお湯となり、各所に給湯できます。
「電気を必要とする」「貯湯タンクユニットがある」など、エコキュートとの共通点は多いですが、最大の違いはランニングコストです。
エコキュートは電気と空気の熱を利用してお湯を沸かすことができますが、電気温水器は電気の力だけでお湯を沸かそうとします。そのため、同じ湯量を沸かす際に、電気温水器はエコキュートよりも3倍~4倍のエネルギーが必要になります。
多くのエネルギーが必要になるため、電気温水器はエコキュートに比べてコストパフォーマンスが悪い給湯器です。
ハイブリッド給湯器
ハイブリッド給湯器とは、エコキュートとガス給湯器の仕組みを兼ね備えている給湯器です。
エコキュートと同様のヒートポンプ技術を用いており、電気と空気の熱を利用してお湯を沸かして、貯湯タンクユニットに貯めておき必要に応じて給湯します。
エコキュートの場合、お湯が足りなくなったらヒートポンプ技術を用いてお湯を沸かしますが、ガス給湯器や石油給湯器に比べて時間がかかり、沸くまでお湯を使うことができません。
しかし、ハイブリッド給湯器はガス給湯器としての機能もあるため、お湯が不足した場合はガスと排気熱を利用してお湯を瞬時に沸かすことが可能です。
湯切れのリスクがないことが魅力ですが、工事費込みの相場が60万円~80万円とやや高く、ガスの利用割合が多くなるとエコキュートよりもランニングコストが高くなる可能性があります。
エネファーム
エネファームとは、ガスから電気を造りつつ、発生した熱で給湯も可能な家庭用燃料電池です。家庭用燃料電池のため、厳密には給湯器ではありませんが、給湯機能があるため取り上げています。
エネファームはガスに含まれている水素と空気中の酸素を化学反応させて電気を生み出し、自宅の照明やテレビ、エアコンなどに給電可能です。
また、電気を生み出したときに発生する熱を利用してお湯を沸かして、貯湯タンクユニットに貯めておき、必要に応じて各所に給湯します。
発電機能があるので電気代の節約が期待できますが、工事費込みの相場が100万円~200万円と給湯器としてはかなり高額で、お湯を沸かすためのランニングコストだけを比較すると、ほかの給湯器に比べて割高な傾向があります。
お湯を沸かすランニングコストが抑えられている給湯器は?
次の表は、同じ湯量を沸かした場合の年間ランニングコストを比較したものです。
エコキュート | ガス給湯器 | 石油給湯機 | 電気温水器 | ハイブリッド給湯器 | エネファーム | |
---|---|---|---|---|---|---|
北海道電力エリア | 約54,000円 | 約104,400円 | 約78,000円 | 約184,800円 | 不明 | 約104,900円 |
東北電力エリア | 約48,000円 | 約98,400円 | 約70,800円 | 約189,600円 | 約74,200円 | 約99,600円 |
北陸電力エリア | 約42,000円 | 約112,800円 | 約70,800円 | 約166,800円 | 約52,100円 | 約95,100円 |
東京電力エナジーパートナーエリア | 約37,200円 | 約73,200円 | 約81,600円 | 約158,400円 | 約51,100円 | 約88,000円 |
中部電力エリア | 約25,200円 | 約81,600円 | 約67,200円 | 約100,800円 | 約41,800円 | 約91,200円 |
関西電力エリア | 約20,400円 | 約75,600円 | 約63,600円 | 約87,600円 | 約41,000円 | 約88,400円 |
中国電力エリア | 約43,200円 | 約108,000円 | 約67,200円 | 約176,400円 | 約55,800円 | 約92,700円 |
四国電力エリア | 約44,400円 | 約93,600円 | 約66,000円 | 約193,200円 | 約54,200円 | 約89,400円 |
九州電力エリア | 約20,400円 | 約102,000円 | 約64,800円 | 約84,000円 | 約33,500円 | 約88,400円 |
沖縄電力エリア | 約27,600円 | 約62,400円 | 約55,200円 | 不明 | 不明 | 約56,900円 |
実際のランニングコストは給湯器の性能や家族の人数、お湯の使い方によって異なりますが、基本的にお湯を沸かすためのコストが最も抑えられているのはエコキュートです。
エコキュートは電気と空気の熱を利用してお湯を沸かすため、ほかの給湯器に比べて給湯効率が高い給湯器になります。そのため、エコキュートに買い替えれば、年間数万円の節約効果を期待できます。
お湯を沸かすためのランニングコストを節約したい方は、エコキュートへの買い替えを検討してみましょう。
エコキュートの注意点
エコキュートはお湯を沸かすためのランニングコストが抑えられていますが、ガス給湯器や石油給湯器に比べて工事費込みの相場がやや高いです。
- エコキュート…40万円~70万円
- ガス給湯器…15万円~25万円
- 石油給湯器(灯油給湯器)…15万円~30万円
- 電気温水器…20万円~35万円
- ハイブリッド給湯器…60万円~80万円
- エネファーム…100万円~200万円
中部電力エリアでガス給湯器からエコキュートに交換した場合は年間約5.5万円、石油給湯器からエコキュートに交換した場合は年間約4万円の節約ができます。
工事費込みの相場の差額は、ガス給湯器や石油給湯器からエコキュートに交換した場合は最大55万円なので、エコキュートを10年以上使用していれば差額を回収できる可能性は高いです。
そのため、エコキュートは10年以上使用できるように延長保証に加入し、定期的に点検やメンテナンスを行うようにしましょう。
エコキュートのランニングコストを更に抑えるための方法
エコキュートは電気をエネルギーとしている給湯器なので、太陽光発電システムや蓄電池との相性が良いです。
例えば、太陽光発電システムがあれば、発電した余剰電力でお湯を沸かすことができるので、エコキュートを稼働させるための買電量を減らせます。
また、蓄電池があれば電気代の安い時間帯に電気を購入して蓄えておき、日中にお湯を沸かすことも可能です。
日中にお湯を沸かせば、外気温が高いので必要とするエネルギーが少なくなり、お湯を使用するまでの時間が短くなるので放熱ロスが少なくなるなどのメリットがあります。
エコキュートのランニングコストを更に抑えたい方は、太陽光発電システムや蓄電池の導入も検討してみましょう。
まとめ
以上が、給湯器の種類の解説になります。給湯器は種類によってランニングコストが異なり、支出を抑えたいならエコキュートがおすすめです。
ただし、エコキュートはメーカーや機種、販売店によって販売価格が異なります。また、家族の人数やライフスタイルに合った商品を選ばないと、ランニングコストが高くなってしまう可能性もあります。
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