電気温水器の消費電力は高い?電気代を下げる方法
2026年8月19日

電気温水器の電気代を下げるには、消費電力だけでなく、沸かす時間帯や湯量の設定まで確認します。定格消費電力が同じ機種でも、昼間の沸き増しが多い家庭は、月の電気代が上がりやすくなります。
たとえば、3人家族なのに最大の湯量で毎日沸かしている場合、使わないお湯まで作っている可能性があります。まずは本体の設定と料金プランを見直してください。それでも負担が重いなら、エコキュートへの交換費用と年間の差額を比べて判断します。
電気温水器の消費電力と電気代の目安
電気温水器の電気代は、消費電力、運転時間、電気料金の単価で決まります。本体に書かれた消費電力だけを見ても、1か月の金額は分かりません。
電気温水器は、タンクにためた水を電気ヒーターで温める給湯器です。家庭用では、発熱部の定格消費電力が4.4kWや5.4kWの機種があります。タンク容量や機種により数値は異なるため、銘板や取扱説明書で確認してください。
給湯は、家庭の中でも電力を多く使う部分です。照明をこまめに消しても、毎日余分なお湯を沸かしていれば、電気代は思うように下がりません。
kWとkWhの違い
kWは、電気温水器が運転中に使う電力の大きさです。kWhは、その電力を一定時間使ったときの使用量を表します。
消費電力4.4kWの電気温水器を5時間動かした場合、計算上の使用電力量は22kWhです。
- 4.4kW×5時間=22kWh
- 22kWh×料金単価=沸き上げにかかる電気代
消費電力が4.4kWでも、1日の使用量が4.4kWhとは限りません。運転時間が長くなれば、使用電力量も増えます。
この違いを知らないと、「本体に4.4kWと書いてあるから、毎日4.4kWhだけ使う」と計算してしまいます。実際には、何時間ヒーターが動いたかまで含める必要があります。
毎日同じ時間だけ動くわけでもありません。タンクへ入る水の温度や、前日に残ったお湯の量によって変わります。
冬は水道水の温度が低いため、夏より多くの熱が必要です。1月や2月だけ電気代が上がった場合は、故障ではなく、水温の低下が原因になることもあります。
1か月の電気代を計算する方法
1か月の電気代は、次の式で試算できます。
電気代=消費電力×運転時間×日数×1kWhの料金単価
消費電力4.4kW、1日4時間、30日、単価28円で計算すると、月額は1万4,784円です。
4.4kW×4時間×30日×28円=14,784円
ただし、これはヒーターが毎日4時間、同じ出力で動いた場合の試算です。実際の運転時間は、お湯の使用量や季節で変わります。
燃料費調整額や基本料金も請求へ加わります。自宅の金額を出すときは、全国の平均単価ではなく、検針票や電力会社の会員ページにある単価を使ってください。
昼間と夜間で料金が異なるプランでは、時間帯も計算に入れます。夜間に20円、昼間に35円なら、同じ10kWhでも支払額には150円の差が出ます。
電気温水器の電気代が高くなる原因
電気代が上がる主な原因は、昼間の沸き増しと、家庭に合わない湯量設定です。本体の消費電力が変わらなくても、運転回数が増えれば請求額は上がります。
直近の使い方も確認してください。家族の帰省や来客があった月は、浴槽へお湯を張る回数やシャワーの時間が増えます。
前年同月との比較も役立ちます。8月と1月を比べると、水温の差が入るため、使い方の変化を見つけにくくなります。
昼間の沸き増しが増えている
沸き増しとは、タンクのお湯が減ったときに追加で沸かす運転です。
夕方に浴槽へ180Lのお湯を張り、その後に家族4人が長めのシャワーを使うとします。残り湯が少なくなれば、夜間を待たずに沸き増しが始まる機種があります。
昼間の単価が高いプランでは、同じ10kWhでも夜間より支払額が増えます。夜間にまとめて沸かすつもりでも、昼間に何度も動けば、料金プランの利点を生かせません。
リモコンの沸き上げ表示が昼間に週3回以上出るなら、湯量設定や使う時間を確認する余地があります。
ただし、沸き増しをすべて止めると湯切れにつながります。来客がある日は、その日だけ沸き上げ量を増やすほうが無理なく使えます。
毎日多めに沸かすのではなく、必要な日だけ増やすのが節約の基準です。
湯量と温度の設定が合っていない
家族人数に対して湯量が多すぎると、使わないお湯まで毎日沸かします。
2人暮らしになった後も、5人家族のころと同じ設定を続けている家庭が一例です。入浴後も残湯表示が半分近く残るなら、設定を一段階下げて比べます。
設定温度が高いほど、水を温めるための熱量も増えます。15℃の水を65℃まで上げる場合と、85℃まで上げる場合では、後者のほうが多くの電力を使います。
ただし、タンク内の温度を下げると、蛇口で使える40℃前後のお湯は減ります。4人家族が毎晩浴槽を使う家庭では、冬に温度を下げすぎると湯切れしやすくなります。
夏に一段階下げ、冬は元の設定へ戻す方法が現実的です。季節を問わず、同じ設定を続ける必要はありません。
電気温水器の消費電力を確認する方法
消費電力は、本体の銘板と時間帯別の使用量を組み合わせて確認します。電気料金の合計だけでは、給湯に使った分を正確に分けられません。
最初に、次の場所を確認してください。
- 本体の側面や前面に貼られた銘板
- 取扱説明書の仕様表
- メーカーの商品情報
- 電力会社の会員ページ
- 過去12か月分の検針票
銘板では、「定格消費電力」や「発熱体容量」の欄を探します。4.4kWと書かれていても、それは運転中の出力です。1日の使用量ではありません。
時間帯別の使用量を見られる家庭では、深夜から早朝のグラフも確認します。毎日ほぼ同じ時刻に使用量が増えている部分は、電気温水器の沸き上げである可能性があります。
ただし、食器洗い乾燥機や洗濯乾燥機を同じ時間に使っている場合、給湯分だけとは断定できません。ほかの家電を使わなかった日のグラフと比べると、判断しやすくなります。
電気代が急に上がり、使用人数や設定が変わっていない場合は、本体の状態も確認します。
- お湯や水がタンク周辺から漏れている
- 夜間以外にも長時間動いている
- お湯の減りが以前より早い
- エラーコードが表示される
水漏れがある状態では、冷たい水が入り続け、沸き上げが増える場合があります。漏れやエラーが見つかったら、電源操作だけで済ませず、施工店やメーカーへ点検を依頼してください。
見積もりや点検の前に、型番を写真に残しておくと話が早く進みます。銘板が屋外機器の裏側にあり、現場で読めなかったというケースもあるためです。
電気温水器の電気代を下げる方法
節約の順番は、湯量設定、沸き増し、料金プランの確認です。入浴回数を減らす前に、使わないお湯を作っていないかを調べます。
設定を変えた後は、7日ほど使用量を記録してください。1日だけの比較では、気温や入浴人数の差が入ります。
沸き上げ量と設定温度を見直す
毎朝お湯が多く残る家庭は、沸き上げ量を一段階下げます。満タン近くまで沸かしても、残ったお湯は時間とともに冷めるためです。
目安は、入浴後の残湯表示です。毎晩3分の1以上残る状態が1週間続くなら、設定量が多い可能性があります。
自動で使用量を学習するモードがある機種では、手動で最低量にするより先に試してください。使った量に合わせて、翌日の沸き上げ量を調整する機種があります。
設定温度は、1段階ずつ下げます。いきなり最低温度へ変更すると、使えるお湯が減り、昼間の沸き増しを招く場合があります。
温度を下げた結果、沸き増しが増えたなら節約になりません。変更前と変更後で、1週間の使用電力量を比べて判断します。
家族4人で毎日浴槽を使う家庭なら、残湯量を減らしすぎないほうが安全です。反対に、2人暮らしでシャワー中心なら、満タン設定を続ける理由はありません。
昼間の沸き増しと保温を減らす
昼間の沸き増しを減らすには、家族の入浴時間を近づけます。
最初の人と最後の人の入浴が4時間空くと、自動保温や追いだきの回数が増えます。2時間ほどの間に入浴できる日は、時間を寄せたほうが消費電力を抑えやすくなります。
来客へ備えて毎日満タンにする必要もありません。普段は2人で暮らし、月2回だけ家族が泊まりに来るなら、その日だけ湯量を増やします。
昼間の沸き増しを止める機能があっても、残湯量を見ずに設定しないでください。シャワーの途中で水になると、その場で追加の沸き上げが必要です。
湯切れを防げる範囲で、不要な沸き増しだけを減らすのが基準です。
浴槽のふたも使ってください。家族の入浴が1時間空く場合でも、ふたを閉めれば放熱を抑えられます。自動保温を長時間続けるより、入浴時間を近づけてふたを使うほうが効率的です。
電気料金プランを確認する
料金プランは、夜間単価だけでなく1年間の総額で比べます。
確認する条件は次のとおりです。
- 電気温水器が動く時間の単価
- 昼間と夜間の使用量
- 基本料金の計算方法
- 燃料費調整額の扱い
- 解約金や契約期間
- 元のプランへ戻せるか
夜間が安くても、昼間の単価が高いプランがあります。在宅勤務で平日の昼間にエアコンを使う家庭では、給湯分が下がっても、家全体の電気代が上がる場合があります。
古い電化向けプランには、新規受付を終えた契約もあります。変更後に元へ戻せない場合があるため、現在の契約名を確認してから手続きを進めてください。
見積もりの段階で夜間単価だけを比べると、昼間の冷暖房費を見落とします。過去12か月の時間帯別使用量を使い、変更前と変更後の年間額を計算します。
設定変更で月1,000円下がれば、年間では1万2,000円です。料金プランの変更で数百円しか変わらないなら、契約を動かさず、湯量設定の見直しを続けるほうが安全です。
エコキュートへ交換したほうがよい条件
設定を見直しても電気代が下がらず、使用年数が10年前後なら、エコキュートとの比較へ進みます。電気温水器を使い続けるより、交換後の電気代が低くなる家庭があります。
エコキュートは、空気の熱を集めてお湯を沸かす給湯器です。電気ヒーターだけで温める電気温水器とは、加熱方法が異なります。
電気温水器では4.4kW以上のヒーターを使う例があります。一方、家庭用エコキュートでは、運転中の消費電力が1kW前後となる機種があります。
ただし、数値だけを単純に比べるのは避けてください。タンク容量、外気温、沸かす湯量により運転時間が変わります。
| 比較項目 | 電気温水器 | エコキュート |
|---|---|---|
| お湯の沸かし方 | 電気ヒーターで直接加熱 | 電気と空気の熱を利用 |
| 運転中の消費電力 | 4.4kW以上の例がある | 1kW前後の例がある |
| 本体の構成 | 主に貯湯タンク | 貯湯タンクと室外機 |
| 設置スペース | 比較的まとめやすい | 室外機の場所も必要 |
| 初期費用 | 交換内容による | 高くなりやすい |
| 向いている家庭 | お湯の使用量が少ない | 毎日お湯を多く使う |
交換が向いているのは、3人以上で毎日浴槽を使い、給湯分の電気代が月1万円を超える家庭です。年間で数万円の差が出るなら、交換費用を何年で回収できるか計算します。
反対に、1人暮らしでシャワー中心なら、削減できる金額は小さくなります。本体が正常で電気代も低いなら、急いで交換する必要はありません。
見積もりでは、次の費用を含めて比べます。
- エコキュート本体の価格
- 既存の電気温水器の撤去費
- 配管と電気工事の費用
- 基礎工事や搬入の追加費用
- 保証の範囲と期間
見積もり時に室外機の置き場所を測っていなかった、というケースには注意が必要です。隣家との距離が近い場所では、運転音や風の向きも確認します。
交換費用が60万円で、年間の電気代が8万円下がる試算なら、単純計算の回収期間は7年6か月です。
60万円÷8万円=7.5年
一方、年間の差額が3万円なら、単純計算で20年かかります。この条件では、電気代だけを理由に交換する判断は合いません。故障の可能性や修理費を含めて考えます。
補助金を使える年度もありますが、対象機種や申請期間は毎年変わります。見積もりを取った時点で、国や自治体の案内を確認してください。
まとめ:設定を見直しても高いなら交換を考える
電気温水器の電気代を下げるなら、まず湯量、温度、沸き増しの順で設定を確認します。消費電力が4.4kWでも、運転時間が短ければ使用電力量は減ります。反対に、昼間の沸き増しが続けば、夜間中心の家庭より請求額は高くなります。
入浴後もお湯が3分の1以上残るなら、沸き上げ量を一段階下げて7日間比べてください。料金プランを変えるときは、夜間単価ではなく年間の総額で判断します。
設定を変えても電気代が下がらず、本体を10年前後使っている家庭は、エコキュートの見積もりを取る段階です。
3人以上で毎日浴槽を使い、年間の電気代が数万円下がるなら交換が向いています。1人暮らしで使用量が少なく、本体に不具合がないなら、設定を調整しながら使い続ける判断が妥当です。


































